NATOベルト・オジヤンレッド

TradTradとしての取り組みをご紹介します。

TradTradは、「Traditional(伝統的な)」から引用した社名ということもあり「Sustainable(サステナブル)」への取り組みを行なっています。

昨年から「Sustainable(サステナブル)」という言葉をよく耳にするようになったと思います。

「Sustainable」は、「持続可能な」という意味、何が持続可能なの?となりますが、「サステナブルな社会」「持続可能な社会」という人・資源・環境などへ配慮した社会創りを海外では盛んに行われており、世界的には常識ともなっています。

こういった流れは、世界を変えるために定めた17の目標として国連が2015年に掲げた「SDGs(エス・ディー・ジーズ)」=「Sustainable Development Goals」=「持続可能な開発目標」が背景にあります。

SDGsは、貧困・飢餓・教育・経済・資源・環境など17の目標が掲げられ2030年までに達成することを目標にしています。

銀行さんや企業の方々がカラフルな円形バッジをつけているのを見たことがあると思いますが、そのバッジがSDGsに取り組んでらっしゃる方々や企業さんです。

賛否両論ではありますが、レジ袋廃止やプラスチックフォーク廃止といったことがこれにあたります。日本でも盛んになってきていますが、まだまだこれからというところではあります。

「TrafTradでも何かできることがないか?」

元々、懐中時計は、約100年前と古く、そのほとんどは放置され稼働しないものや錆びてしまったものなど処分されてしまう存在でもあります。そのような背景からアンティーク懐中時計を腕に巻く「UDEMACI」は、サステナブルな存在でもあります。

「その他でも取り組めないか?」ということから、話し合いを行いました。

TradTradと伊勢志摩は深い関わりがあることから、TradTradのシステムマネージャーから「伊勢志摩の漁業の網を使えないか?」という一言がありました。

早速、UDEMACIアンバサダーの翔大に話を聞いたところ、伊勢エビを獲るエビアミという赤い網があり、伊勢エビはトゲトゲしていることから取り外す際に網を切ってしまうことが多々あるようで、使えなくなった網の処分に困っているという事実を知ることになりました。実際にその使えなくなったエビアミを翔大から送ってもらいました。

そのエビアミの結び目をほどき、細い部分の糸を取り出しました。
まずは些細なことではありますが、UDEMACIレザーNATOベルトの縫い糸として使うことで、少しでも環境問題に取り組んでいこうと考えました。翔大から教えてもらったのですが、エビアミは新品では赤い色をしているのですが、使用していくうちに海水で色も褪せ朱色に変化していきます。

翔大のある言葉からこのエビアミの縫い糸を「オジヤンレッド」と名付けました。「オジヤンレッド」の名付け親は実は翔大でもあります。

TradTradのシステムマネージャーの発想とアーティスト翔大の言葉から誕生したサステナブルなレザーNATOベルト「オジヤンレッド」は、UDEMACIの中でも高級モデルに装着されます。

なぜ高級モデルかと申しますと、ベルト1本に対して40cmの縫い糸が6本必要となり、この6本を取り出すためにエビアミを解くのですが、大変な細かな作業でかなりの時間を要します。

エビアミの糸は通常の縫い糸ではなく、縄のようによりをかけてなわれているので、かなり細い糸で作られています。ほどく作業に工具を使ってしまうとその細い糸が切れてしまう恐れがあるために気を使う作業となります。

また、取り出した糸で実際にベルトを縫う作業には、蝋引きを施す作業などもプラスされるなど手間暇がかかってしまうこともあり、高級モデルへの設定となってしまうのが現状です。

レザーNATOベルト・オジヤンレッド

商品写真をご覧頂けますと、ベルトの縫い糸に「オジヤンレッド」を見ることができます。一度探して見てください。

今後、TradTradとしては環境に配慮したベルト製作として、縁の深い伊勢志摩の漁業で使われ、廃棄に困った網を活用したベルト製作を長期のプロジェクトとして歩んで行きたいと思っています。

text.KJ