アンティーク腕時計UDEMACI

なぜアンティーク懐中時計に着目し「UDEMACI」にしたのか。

「UDEMACI」では、今から100年ほど前の懐中時計をアンティーク腕時計として、新しい時計の楽しみ方の1つとして提案しています。

皆さまはアンティーク懐中時計をご覧になられたことがございますでしょうか?
我々も多くの方々にアンティーク腕時計「UDEMACI」をお見せしてきましたが、ほとんどの方々はアンティーク懐中時計を初めて見ると仰られます。

実際に、私自身の人生において懐中時計を目にしたことは過去に1度だけでした。
その懐中時計は、あるスイス有名メーカーの販売していたもので、今から約30年ほど前のことになります。その1度きりでした。

元々、時計が好きで様々なメーカーの腕時計を目にし実際に触れ、時計雑誌を読みあさったものでしたが、懐中時計のことは頭にはありませんでした。というより、目にする触れる機会が全くと行っていいほどありませんでした。

きっと皆さまもそうだったと思います。

アンティーク懐中時計を見たことがなかった私が、縁あって初めてアンティーク懐中時計を手にした時、100年ほど前の時計ということに驚かされました。個体差はありますが、100年前の時計がこれほど美しいものなのかと魅了されたことを今でも覚えております。

初めて「UDEMACI」をご覧頂いたお客様も同様の感想を持たれます。

「100年前のアンティーク懐中時計ってこんなに綺麗なの!?」
「この時計、本当にそんなに古い時計なの!?」
「懐中時計ってデザインが綺麗なんですね!」
「今の腕時計より凄い凝っていますよね!?」

などの驚きのお声をいつも頂きます。

100年前のことです。
今の時代とは全く違う時間・全く違う価値観がそこにはあります。

今から100年前といえば、大正時代です。その頃は今のように選挙権を全ての人が持っておらず一部の者だけでしたが満25歳以上の男子に選挙権が与えられ普通選挙法が始まるなど「大正デモクラシー」がありました。男子だけなの?と思われたと思います。実は、女性に選挙権が認められたのは1945年の終戦の年のことになります。

その他には「大正ロマン」と言われ、西洋文化の影響を受けたモダンガール、職業婦人や洋装に断髪というスタイルが誕生した大衆文化が起こりました。

当時は、まだまだ明治から引き続き、嗜好品が高価だった時代となります。時計も嗜好品としてまだまだ高価なものでした。

明治末期の商品を今の貨幣価値で計算してみると面白く、あんパンは約200円、カレーライスは1000円以上、うどんは400円と言われています。あんパンはハンバーガーといった感じで嗜好品ではないことから価格は抑えたれていますね。

しかしこれが嗜好品となると…

ビール大瓶は約4000円、アメリカ製の自転車はなんと400万円、グランドピアノは1000万円、そして高級自動車はさらに高価な1億円だったそうです。

現在の貨幣価値では換算できないほど、海外製品などものによって嗜好品はさらに物価が変動していたことがわかります。明治より大正では少しは物価が安くなりますが、まだまだ高い時代でした。

話がそれてしまいましたが、そんな時代に製造・販売されたアメリカ製やスイス製の嗜好品であった懐中時計が、我々が目にしているアンティーク懐中時計なんです。

アンティーク懐中時計を腕に

当時は相当に高価であった外国製の懐中時計を我々は今、目にしています。そう考えると感慨深いものがありますよね。

当時高価であったものですから、中の機会であるムーブメントもケースも針も文字盤も凝ったつくりとなっています。しかも今のような機械はなく、1人1人が手作業で製造・組み立てられたものです。1つに対して本当に手間暇をかけ製造されたものでもあります。

当然、現代は技術が進歩しているのでより繊細に部品が作られていますが、当時は部品の1つ1つが肉厚で大きいのも特徴です。そのようなこともあり、100年ほど経った今でもアンティーク懐中時計は、保存状態にもよりますが、きちんとメンテナンスをしてやれば蘇ります。

アンティーク懐中時計は、戦後流行した腕時計に取って代わられ、現在に至っています。この歳月を懐中時計は眠りについています。今では歴史的な遺産となってしまっている懐中時計は、時計黄金期とも言える時代において精巧に作られデザイン面もつくりも優れた時計でした。

そのアンティークな時計は、このままでは廃棄されていく一方、この世からはいずれ無くなってしまう存在となってしまいました。

「腕時計の原点であった精魂込めて作られた時計を大切に使える環境があれば廃棄をなくすことができる」
「今に受け入れられるようにするには腕時計にしないといけない」
「腕時計にしてもあくまでも懐中時計としてのコンセプトを損なってはいけない」

これらが必要不可欠な条件でした。

このアンティーク懐中時計の良さを最大限に活かしつつ、腕時計にもできることを念頭に考え、最低限の固定4本の爪を使った金具を考案しました。

懐中時計は、最小限の幅を持った4本の爪で固定するので、アンティーク懐中時計のディテールを損ないません。そして、自由に取り外すせることで、本来の懐中時計としても活用できるように考慮したものです。

これらが、アンティーク懐中時計で「UDEMACI」としている由縁です。

1人でも多くの方に「UDEMACI」を通して、アンティーク懐中時計の歴史や良さを肌で感じて頂けますと幸いです。

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