余白とゼンマイを巻きながら

Journey

日常には余白が必要だ。

曖昧な言葉で始まったが、
忙しい毎日を過ごしていると、目の前にある事をこなすのに目一杯になりがちになってしまう。
日常に余白、つまり余裕や心のゆとりがあると、新たな発想がうまれ生活が豊になるという意味だ。

余白と言っても、単にぼーっとしている事だけではなく、
テレビをザッピングしている時や、
歩いている時など、
何かを考えているようで考えていない時間も私は含まれると思っている。

感覚で言えば、頭の中に白紙のノートとペンがあるような感覚。

電車

電車の中、周りを見回すと、ほとんどの人が寝ているかスマホをいじっているか。
おそらくゲームやニュースサイト、SNSを眺めている人が多数だろう。

ゲームやニュースサイト閲覧、SNSをしている時、頭の中では何を考え、何を想っているのだろう。
もしかすると頭の中を右から左に思考が流れるだけなのかもしれない。
そして、その思考は頭には残らず去っていくものばかりだ。

もちろんこれらの時間が無駄だとは思わない。
ニュースを見る時間も友人のSNSを見る時間もとても大切だ。
そこから得る事項や情報も生活を豊にしてくれる。

余白ある生活

時間に余白があると、色々な事を考え、妄想し、想いにふける事が出来る。
今日の調子はどうなのか、
今日やるべき事は何か、
週末はどこ行こう、
時には、昼食は何を食べようか。
雑多に考えている事を頭で整理する。

これらはSNSを眺めていると考える事が出来ない事であり、この情報化社会においてとても大切な事だと考えている。

懐中時計をウデに巻く腕時計[UDEMACI]

懐中時計は毎日ゼンマイを巻く必要がある。
ゼンマイを巻き、音に耳を傾ける。
これは私にとって何事にも変えられない瞬間だ。

おそらく、かつてこの懐中時計を使っていた人も同様に、日々の生活の一部としてゼンマイを巻いていたのであろう。

忙しい時こそ、ゆっくりとゼンマイを巻く。
余白をつくり楽しみながらゼンマイを巻く。
時間としては僅かだが、様々な想いを巡らせる。

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